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『光も陰も愛』番外編 《吉満明子という編集者のバトン②》


《吉満明子という編集者のバトン①》
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『あなたのおっしゃる通り、これは私のエゴかもしれない』

『私もなぜこのようなことをお願いするのかわからない』

その言葉と同時に我慢し切れていない涙が照明に反射して光った。吉満明子の目をまっすぐ見ると自分にも涙が移った。

しかし、怒りのような感覚はこの言葉だけでは拭えなかった。

俺にはもう何もできない

これ以上、何を書けばいいのかわからない

これ以上、どう表現すればいいのかわからない

輪郭?名前?もうそんなのはもうどうでもいい

俺にはもう何も残っていない・・・

両手で顔を覆い考えた挙句、

『この宿題は一旦拒否させていただきます』

と少し強めの口調で言った。

吉満明子の期待に応えたい。

吉満明子の予測を上回りたい。

その一心で今までやってきた。

だからこそ、宿題を拒否することはとても勇気がいった。申し訳ない気持ちがなかったわけではない。

しかし、もうやれるところまでやり尽くして限界突破を何度もしてきた。

搾りカスすら残っていない僕にとってこの言葉が自分の中の精一杯の答えだった。

最終宿題は本当に小さく心の片隅にはあったものの、その後3日間は何も考えず終わった。

今までの宿題提出を思い返せばよくやってきたという自負あったからこそ、最終宿題を提出する気は全くなかったのだ。

しかし、4日目の夜に、ふとあの我慢して溢れた涙目の吉満明子を思い出す・・・。

『おまえ、本当にそれでいいんだな?』
『おまえ、それで後悔はないんだな?』
『おまえ、やり尽くしたと言えるんだな?』

どこからともなく、何度もこの言葉が聞こえてきて、絶えず纏わり付く。

これは僕の勝手な捉え方で烏滸がましい話だが、このまま宿題を提出せずに終わったら、吉満明子は自分自身を責め続けていくかもしれない。

やがては、編集者として本来の自分を見失ってしまう可能性だってあると考え抜いた。

最終宿題を提出せず終わる、、、

それ即ち、彼女に対してもはもちろん、これからセンジュ出版から出版する著者に対しても、センジュ出版の本を買っていただける読者に対しても、それを贈っていただける方々に対しても、本に関わる全ての人に対しても、ものすごく失礼にあたるのではないかと感じたのだ。

頑なに最終宿題を拒否していた心の矢印が少しずつ向きを変え始めた瞬間だった。

宿題提出期限を聞くと締め切りは残り1日だった。

つづく、、、

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